谷口たけしのブログ

市指定、無形民俗文化財、尾張旭の馬の塔とは

馬の塔は、尾張及び西三河、東美濃に渡る地方で、江戸時代から行われていた献馬行事です。豊作のお礼や雨乞いなどのために、標具(だし)と呼ばれる道具で飾られた馬を一日だけ寺社に奉納します。

もともとは村内だけの「郷祭(ごうまつり)」に献馬が行われていたようですが、江戸時代中期になると複数の村が連合してより大きな神社やお寺に馬の塔を奉納する「合宿(がっしゅく)」が始まりました。合宿は大豊作の年だけに行われたため、10年に一度程度の特別な祭でした。
馬を飾る標具には、郷祭では簡素な高札(はんげ)と御幣(ごへい)が使われていますが、合宿では村の願いを込めた意匠を凝らした標具が使われます。また、馬の周りには長柄鎌などを持った警固人(けいごにん)と呼ばれる人を配置して、大切な標具を守っていました。
さらに時代が進むと、棒の手や鉄砲(火縄銃)が隊列に加えられ「警固(けいご)」または「オマント」と呼ばれる勇壮な行事に発展しました。

尾張旭市では、印場(北・南)、新居、稲葉、三郷地区の保存会が、行事の伝統を守っています。

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